→キリム長さ 2m以上, 商品
キリムNo.: KJ23464
産地: カラバ、カフカス地方、ベイリーオールドキリム(ウール/ウール)
寸法: 268x143cm
価格: 308,000円
カラバ(カラバフ)は、トルコ東北部からカフカス地方に続く地域です。
カラバフはアゼルバイジャン領にあるアルメニア人居住地として、1991年独立宣言をし、現在も独立状態を保っています。しかし、イスラム教が多数を占めるアゼルバイジャンとキリスト教が多いアルメニアは、民族問題や国境問題を常に抱えています。
ロシア、ジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャン、ダゲスタンなどからなるカフカス地方は様々な民族が交差した地域で、織物一つとってみても、他地域にはない独特の融合が見られます。その質の高さは、世界で高い評価を受け、カラバはコレクター対象のキリムとなっています。
100年に近いこのキリムも、カラバの伝統色である濃い藍色と赤色です。
カラバ・キリムは、長さが2.5m以上あるものが多く、当時の貴族や高級官僚の邸宅で、床に置く絵や壁に掛けるタペストリーなどとして使われてきました。
多くのキリムは、薄くどこまでも薄く織られています。現代の修理人が修理を嘆くほど、細く丈夫に撚られた糸は、100年以上経過してもビクともしていません。
当時の貴族や官僚の邸宅の富を象徴するかのごとく、彼らの室内は、濃く深い藍と茜を基調とし花柄でボーダーを飾った、精緻なカラバ・キリムや絨毯で埋められたそうです。
訪問する客の目を楽しませまがら、精緻な織物を通して自身の財力や影響力をエレガントに示す貴族たちは、織り職人たちのパトロンであり、織り手は思いっきり織る事に没頭できたのです。先祖の生活必需品であったキリムを工芸品にまで成長させ、国の文化として大事に育てたパトロンたちです。
子孫繁栄や不滅の繁栄の意味を持つ「樹」を、画面一杯に織り込んだ織り手は、伝統的な濃い藍色と茜を透明度高く染めました。80年前後のキリムの染としては、精いっぱいの色出しです。
「樹」を囲むボーダーは、優しい花柄が丁寧に織り込まれています。中央の無数の「樹」は、目の前に広がる林?宇宙船?パイナップル?インベーダー? 見る者の想像力を思いっきり膨らますキリムです。
樹=子孫繁栄、不滅の繁栄