キリムNo.: KJ16005
産地: カフカス, オールド
寸法: 328x97cm
価格: 495,000円
カフカス地方では、昔から数多くのキリムや絨毯が生産されていました。「カフカスのキリムを持たなくては、コレクターと呼ばれない。」と言われるほど、この地域では、上質のキリムが織られてきました。特に、牧畜が盛んな山岳地帯を移動した部族は、外部からの影響も少なく、独自の伝統が代々守り伝えられ、多くの良質のキリムがコレクターや外国人の手に渡っていったのです。
これはアゼルバイジャン中央部にあるシルヴァン地域で織られた、「ベルネ織り」と呼ばれる技法を使ったオールド後半の織物です。
固く撚った上等の縦糸に、修理針も入らないほど固く細く撚られた横糸を、ビッシリと丁寧に織り込んでいます。この部族に伝わる伝統とは言え、見ているだけで、その根気にため息が出てくるほど、気の遠くなるような時間とエネルギーが注がれたキリムです。カフカスキリムが世界中で賞賛された答がここにありそうです。
黄色をベースに使い、オレンジ色よりも渋く、濃い黄色は黄金色(こがねいろ)です。黄金色は、明るく、暖かく、輝かしい光を放つ色という印象が日本ではあります。赤みの強い茶色は弁柄色(べんがらいろ)に近いように思われます。これまた、大人の雰囲気を持った色です。カフカス独特の暗い藍色も使われています。
綿の白色がアクセントに使われています。綿糸は古くなればなるほど、白くなります。まるで今織られたかのような雰囲気は、この白糸の演出です。白糸のお陰で、それぞれの色の褪色は感じられず、いつまでも「落ち着いた若さ」を持ち続ける逸品です。
眼:邪視除け 水の流れ:生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い