キリムNo.: KJ37213
産地: アナドルー、オールドキリム
寸法: 100cm X53 cm
価格: 69,300円
深い濃い赤色はロシアのカラバ地方、独特な柄付としっかりした織りはカフカス地方と、それぞれ違った地域をイメージさせるオールドキリムです。
花柄を織り伝えているロシアのカラバ地方は、血のように濃い赤色を持っています。黒海の北にあるカフカス地域はトルコより寒く、この地域特有の赤色はオレンジを感じさせないこの様に血のように濃い赤です。そして、縦糸にはコットンやウールが強く撚られ使われてきました。
熟練した織り手が織りあげるカラバキリムは、修理針が通らないほど緻密で、永遠に壊れることがないように思えるほど丈夫で、美しいものです。
そんなカラバ地方のキリムは、昔からコレクターの目指すキリムの一枚です。
カラバの織り手を先祖に持つカフカスの織り手は、先祖から受け継いだ見事な腕で、先祖の赤に近い色調を染め上げました。織りの技術も上等です。織り手は先祖から伝わる花柄のカラバを手本にしながら織りを進めたはずです。が、イスラム教の偶像崇拝禁止の教義に従い、花柄を織り込むのではなく、幾何学文様を織り込んでいます。
手に入れた化学染料のピンクや青からは、当時の先端を行っていた織り手の意気込みや思いが伝わります。
店のオーナーはこのキリムを特定せず、トルコのどこか(アナドルー)と言いました。
1500年近い伝統を持つキリムは、いつの時代も様々な影響を受けながらも、織りを愛する女性達により伝え継がれてきました。
あるがまま受け入れる寛容な姿勢と、無限に広がる彼女たちの創造力のお陰で、現代の私たちは、様々な想像を巡らしながらキリムを楽しむことが出来るのです。