KJ14005、181x141cm、東トルコ、エルズルム、アンティークキリム

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キリムNo.: KJ14005

産地: 東トルコ、エルズルム、アンティークキリム

寸法: 181x141cm


1995年に出合ったエルズルムの伝統的ミフラブデザインのキリムは、シンプルな色調が心地よく、やさしくおどけた表情が心を落ち着か、穏やかな気持ちにさせてくれます。モスクに入ると気持ちが鎮まるように、見ているだけで似た様な気持ちにさせてくれるキリムです。使い込まれたしなやかなキリムが、私たちを呼んでいました。

お隣のエルズルムKJ-16087と比べると、こちらは若い織り手の作品のようです。
やる気十分で、自信に満ちた織り手は、先輩たちを横眼で見ながら、ミフラブ文様を織り始めました。彼女は、自分だけのキリム作りに挑戦したのです。

それは、縦糸に綿糸を使う事でした。センスある色調は、長い時間と光の協力があったとは言え、天性のものでしょう。
織り上がったキリムは、シンプルな色調と真っ白なコットンがアクセントとなり、誰もが誉めてくれたほど、美しいものでした。鼻高々な織り手の顔が浮かびます。

縦糸に綿を使ったキリムは、ウールとの伸縮性の違いや糸撚りの難しさから、使っているうちに、横糸が縮んだり、歪みが出てきたりしました。織りのしっかりしたキリムでありながらも、先輩の物とは違い,歪みをみせてくるキリムに、織り手は学びました。

織る事とは伝える事です。伝える事とは学ぶ事です。
先祖がやってきた織りの文化を学び伝える事が彼女の使命である事を。
伝統とはただ継がれているのではなく、多くの先人達の知恵と知識が作り上げた最上の文化である事を。

技術の未熟さを知った彼女は、その後、謙虚に学び、部族一番の技術とセンスを身に付けた織り手として、部族の宝物のキリムを残したことでしょう。
使い継がれたこのキリムの上等な糸のしなやかさと細かい織りが、この織り手が持っていた能力を語っています。




ミフラブ文様=礼拝用デザイン、ベレケット=豊穣、 生命の樹=永遠の繁栄、眼ー邪視除け、鳥=幸せの予感

 


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