KJ11717、248x132cm、カフカス地方、アゼルバイジャン、シルヴァン、オールドキリム

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キリムNo.: KJ11717

産地: カフカス地方、アゼルバイジャン、シルヴァン、オールドキリム

寸法: 248x132cm


SOLD OUT

1993年、カフカスキリム専門店で、店内一杯に広げられた伝統的な眼や星のキリムの山に、一休みのチャイを飲みながら溜息をついている私達に「スペシャル!」と、問屋さんが広げたのが、中央が赤い無地で全体の色調も柔らかい上質のキリムです。
ショップ全体がメリハリある伝統的キリムで埋められている中、ボーダーのみが小柄で囲まれた暖かい色使いのキリムは、一目で私たちの物になりました。

織りの細かさは、ロシアのカラバ、ヨーロッパ側トルコのシャルキョイ、アナトリア南部のレイハンリに肩を並べるほど精緻で見事です。修理針が通らないほど緻密な織物は、その細かさが横糸を一層強くしており、永遠に修理の必要なしと思えるほどの逸品です。

当時、湾岸戦争の影響も一段落した町には、カフカス地方から多くの上等なキリムが陸路、野心満々の元気な若者たちにより運ばれてきていました。

古代より最も称賛されたのがカフカスの織り手と言われます。メリノ種でも飛びっきりの羊が発見された地域です。上等のウールと緻密な技術が創造する織りの世界は、多くのコレクターを惹きつけ止まない魅力を持っています。が、19世紀までの絶え間ない紛争は、この地域の経済と文化を衰退させ、今では上質の織物はあまり残っていません。

シルヴァンの伝統的キリムは、眼や三角形の文様が等間隔で横縞の中に配列されています。織り手が技術を競っているように緻密な仕事は、マーケットに出てきた当時から、貴重品と評価された織物です。でも、この様に色で表現されたキリムは見た事がありません。

ボーダーのピンクや黄緑には化学染料が使われています。19世紀末から20世紀にかけての化学染料の急速な発達は、この地方にも及んできました。短時間で希望の色が染められる化学染料が、若い織り手の気持ちを捉えた事は容易に想像できます。

67年後の現在、キリムの表情は穏やかでありながら華やかで優雅な雰囲気を醸し出しています。植物と化学染料の糸を違和感なく染め出したシルヴァンの織り手は染織の名手です。その場にあるどのような染料でも見事に使いこなす織り手がキリムに織り込んだ「1948」に、1948年生まれの方が出合ってくれると赤い糸でつながりそうです。



眼=邪視除け、星=幸せへの願い、水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い


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