キリムNo.: KJ32951
産地: カフカス地方、ダゲスタン、アンティークキリムクッション(ウール/ウール)
寸法: 41x40cm
価格: 30,800円
カフカス地方ダゲスタンは、カスピ海岸に面しロシアの隣に位置する国です。国土の7割が山岳地帯のダゲスタンでは牧畜が盛んに行われ、良質のウールが豊富に生産されてきました。
中世より、ダゲスタンでは様々な地域で、金銀細工、刺繍、織物、陶器や皮革製品など、特徴ある工芸品が専門化しながら発達してきました。山岳地帯で外部からの影響が比較的少なかったのが利点となり、民族工芸や芸術の宝庫と呼ばれるほどです。
良質のウールと豊富な植物はダゲスタンの織り手の技術を鍛え、入手の難しい秀逸な織物の産地として知られていました。艶やかなウール糸が濃く深く染められた独特の色調の細かい織りの大きなドラゴン文様のキリムが伝え継がれてきました。
ソ連崩壊後、陸路イスタンブールのマーケットに運ばれてきた、トルコともイランとも違う深い色調とデザインのキリムは新鮮で、誰もが目を奪われました。
ダゲスタンキリムは、デザインも色調も大変力強く、多くはホールの壁一杯に掛けるように織られてきました。大きなランナーのような伝統キリムに描かれている抽象的な幾何学は“ルクザル”文様と呼ばれ、ドラゴン(龍)を表現していると言われています。
そのキリムの大きさと価格に溜息をついている私たちに、「珍しいだろう?」と問屋さんが奥から持ってきたのがこのクッションです。
深い色調と大きなドラゴン柄は、まさにダゲスタンです。4m近い大きなアンティークキリムは修理され、使い易い大きさに作り替えられました。残った布は、クッションに作り直していたのです。
同じ茜で織り手に負けない位うまい修理をしてくれた問屋さんは、「自然は偉大だね。長い時間が作り上げたこれらの色は、誰も真似出来ないからね。」と、しげしげとクッションを眺めていました。
ドラゴン=豊かさをもたらす、 眼=邪視除け