KJ35228、130x87cm、コンヤ、アンティークキリム(ウール/ウール)

キリム長さ 150cm前後, 商品

キリムNo.: KJ35228

産地: コンヤ、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 130x87cm

価格: 242,000円

黄色のグラデーションに優しい星のデザインのパステルキリムは、100年以上が経過したコンヤです。
薄い黄色に肌色を加えた玉子色、それに少し黄を加えた梔子(くちなし)色から鮮やかな黄の山吹色まで、織り手の染色技術は、赤と黄を合わせながら自由自在に黄色の世界を展開しています。おまけに青を加えた黄はだ色と黄土色は、織り手の技術の深さを知らせてくれます。ライトグレー、薄紫、抹茶色、茜、そしてピンクと天然の濃い茶など、様々な色出しを心より楽しみながら織り手がキリムに創造した世界は、一斉に花々が咲き競う春の訪れに乗せた、孫娘の幸せを願う気持ちです。

植物染料を使ったキリムですが、唯一ピンクが化学染料です。
1866年、ドイツで生まれた化学染料は、瞬く間に遊牧民にも広まりました。植物では出せない色に出合った織り手達の驚きと興奮は、当時のアンティークキリムからも伝わってきます。
色に意味を持たせた遊牧民の悩みは、ピンク色でした。ピンク色はバラ、チューリップやベリー系の果実や果皮から抽出出来ます。「勇気」と言う意味を持ったこの柔らかい色は光に褪色しやすく、織り手達はピンクの無くなった糸を入れ換える作業に時間を取られていました。

本来は褪色しない化学染料ですが、さすが、高い技術の織り手です。アンティークになってキリム全体の色が褪色し柔らかくなったにもかかわらず、化学染料が特に目立つことなく、他の植物の色と馴染んでいます。

キリム全体に色糸と同じ糸で結ばれているのは、「幸せの結び」です。嫁入りの決まった娘が織りをする祖母の横で、相手と固く結ばれ幸せな結婚を守ってくれます様にとの願いを込めて結んだものです。このキリムはその娘の持参品として織られたものです。
喜びと不安な気持ちを抱いた娘は、全体のバランスや結びの位置など全くお構いなしに、あちらこちら思いのまま結んでいます。孫娘を温かく見つめながら織りを続ける祖母は、きっと何も言わず愛情一杯の笑顔を見せていた事でしょう。

女性の気持ちの表現と言われるキリムに、二人の気持ちが織り込まれています。



眼=邪視除け、 星=幸せへの願い、 水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い


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