KJ37225

KJ37225、130ｘ41ｃｍ、西トルコ、ヘルワジ、オールドヘイベ（コットン／コットン＆ウール）

キリムNo.： KJ37225

産地：西トルコ、ヘルワジ、オールドヘイベ（コットン／コットン＆ウール）

寸法： 130ｘ41ｃｍ

価格： 95,700円

「西トルコ、ヘルワジのヘイベだよ。ヘルワジには縦糸に丈夫なコットンを使ったトルコNo.1と思えるほど、細かい織物が伝えられている。色調豊かな西アナトリアにあって、細かさを追求している珍しいキリムだよ。織り手の技術が高かったんだね。」と、言いながら問屋さんが広げたのは、上下に物入れが付いたランナーのように長いパステルカラーの優しい織物です。

確かに、驚くほど緻密な織りです。縦糸にも横糸にも縫い糸のように細いコットンが使われています。細かい織物を作りたい気持ちは解りますが、縦糸と横糸がコットンでは、永遠と思えるほどの時間が織り上がるまでに必要だった事でしょう。

先祖伝来の技術は、大事な孫娘の嫁入りの持参品に生かされました。
孫娘の幸せを願いながら織りを進める祖母の卓越した技術は、誰もが目を見張るほどのヘイベを生み出しました。

ヘイベとは、移動の際、ロバやヤギの背に掛け荷物を運ぶ袋です。背に掛けられた布は、両側が物入れ用の袋になっています。
大事な小物や穀類などが入れられるヘイベは、どのキリムより丈夫で目の細かい織物です。移動する動物の背に掛けられたヘイベには、遠目からでも部族の識別が容易にできるよう、部族を象徴する家紋の様な柄が上等のウールやコットンを使い織り込まれています。

移動しながら沢山の人々の目に触れたヘイベです。人々の高い評価は、嫁いできた娘には、実家の織りの技術の高さの誇示につながり、自身も良い嫁として高い評価をもらえる絶好の機会でした。

織り手は袋部分を、桃色と薄紅色、茶色、抹茶色に染めたウールと天然の白とダークグレーを使いジジム織りで柄を付けています。細い縦糸のコットンにウールの色糸を横に入れながら柄を織っていく作業は、針が通らない程の難作業です。しかし、織り手にはエンドレスに続く作業でも孫娘の笑顔を想像すれば、至福の時間だったはずです。

細長いヘイベは、テーブルランナーやタペストリー、あるは、ソファに掛けても独特なおしゃれ空間を作ります。