キリムNo.: KJ22435-A
産地: コンヤ、ベイリーオールドキリム
寸法: 134x110cm
天然の白と茶の上等のウールに黄土色のキャメルがアクセントに使われているのは、コンヤのとても古いキリムです。
2000年の夏、お客様の注文で幅のある白い縞柄のキリムを探して出合った一枚です。
10枚近く見つけた白と茶のストライプキリムの中で、最後に残った一枚です。出合った時は、4mほどの長さでした。所々にしみや小さな穴があり、しり込みしながらも、柔らかな触り心地とツヤに心奪われ、手に入れました。
長い間、ストックに眠っていたキリムの目を覚ましてくれたのが、若い手仕事大好きなスタッフです。手を加えれば加えるほど、美しい表情になるキリムに驚きの声を上げながら、ひたむきに両房に細かいステッチを掛けてくれました。
「ひざ掛けにしても暖かいです、少々重いですが。」とか、「このキリムはソフラにも使われたかもしれませんね。だからシミがあるのかもしれませんね」など、何十年も前に織られたキリムに様々な思いをはせながら、手を動かし続けました。
ソフラとは、床の上に置いた食卓のことです。遊牧民は正方形に近いソフラの周りに車座に座り、食事をしました。柔らかな肌触りは、始めから自家用を目的に織られたのもかもしれません。だからこそ普段使いのキリムなのに、上等のウールが使われたのでしょう。想像力が動き始めると、彼らの楽しそうな話し声や笑い声が聞こえてきます。
自家用に織られた贅沢なキリムが、今では上等のウールが引き出すツヤのお蔭で、素朴さをたたえながらも艶やかで優しい表情になりました。
このソフラを小脇に抱え、現代のトルコ人のようにピクニックに出かけ、遊牧民気分を味わうのも悪くはありません。
ちなみに、残りの使える部分は、私達のオリジナルクッションになりました。