キリムNo.: KJ11677
産地: ギョチメン、オールドキリム
寸法: 202x92cm
価格: 198,000円
ギョチメンはヨーロッパ側トルコ、シャルキョイの近くにある村です。
高度な織りの技術を持ったセルビア人がピロット村からシャルキョイに移住し、彼らの織るキリムが欧米で注目されるようになったことから、この地域のキリムをシャルキョイ・キリムと呼ぶようになりました。また、トルコのギョチメン村のキリム、東欧のブルガリアやルーマニアで織られたキリムもシャルキョイ・キリムと呼ばれています。
このオールドキリムは、ボーダーの花柄は東欧の、中央の赤色部分の柄はトルコの影響を受けています。イスラム教スンニー派が多数を占めるトルコでは、キリムのデザインは原則、幾何学文様です。が、そこがトルコの織り手です。
シャルキョイで目にした東欧の具象柄のデザインに目を奪われた織り手は、早速、自分のキリムに取り入れました。それは、春になると毎年目にする、一面に咲き競う花々です。
白いウールに織り込まれたそれぞれの花は、規則的な繰り返しでありながらも伸びやかです。
キリムが女性の日々の心の表現である以上、このようなキリムがあってもおかしくありませんが、伝統というきまりの中で、日々織りを続けた織り手が決まりを破るということは、大きな勇気のいる事だったかも知れません。きっとこのキリムは人目に触れることなく、大事にしまわれていたか、女性たちだけの集まりの時だけそっと広げられていたのかも知れません。
キリムを織ることは、織り手が唯一自分を表現できる世界でありながらも、多くの織り手は制約に縛られながらも従い、その中で自分の世界を精一杯表現し続けたのです。
眼=邪視除け