キリムNo.: KJ9719
産地: シャルキョイ, オールドキリム
寸法: 340x91cm
価格: 242,000円
イスタンブールのキリムマーケットにある数々のエスニックなキリムを見慣れた私たちの目に飛び込んできたのは、どこまでも薄く、繊細な柄つけのシャルキヨイ・キリムです。手に入れたのは1992年です。あれから20年経ったキリムですが、大事に保管されてきたお蔭で、当時と変わらない表情で驚かせてくれます。
シャルキョイは、ヨーロッパ側トルコのトラキアにある町です。
現在のトラキアは、西はマケドニア、北はブルガリアと黒海、南はエーゲ海に囲まれた地域です。バルカン半島はもっとも初期のヨーロッパ文明の中心地であり、様々な民族が住んだ東ヨーロッパには、アジア側トルコとは異なったキリムが伝え継がれてきました。
現在、シャルキョイは地理的にトルコですが、トラキア各地やブルガリア、ルーマニアやセルビアなどからシャルキョイに集まるキリムが、シャルキョイ・キリムと呼ばれています。
シャルキョイのキリムはどこまでも薄く、どこまでも細く、どこまでも細かく、を極めたかのように素晴らしい織りです。縦糸には綿、もしくは上質のウールを綿のように細く撚った糸が使われています。昔の多くのキリムは、暗い赤と藍が基調です。
19世紀後半のキリムの紅赤は、高価な動物性染料のコチニールが使われています。植物染料とは違ったこってりした昔のコチニールの紅赤は、もはや高嶺の花ですが、その独特な色はどこまでも魅力的です。
20世紀のキリムは、化学染料の影響か、このようなオレンジや水色が多くみられます。
機械で織ったかのように整然と並べられた柄から、共産圏であった東欧の香りが伝わります。仕事として織られたキリムだそうで、だからこそここまでの仕事が出来たことを納得させられます。これを手に入れてから20年、今ではもうないキリムです。
ベレケット=豊穣 狼の口=邪視除け 眼=邪視除け 足かせ=友愛
ドラゴン=豊かさをもたらす