KJ31587

KJ31587、289x78cm、マラティア, アンティークキリム

キリムNo.： KJ31587

産地：マラティア, アンティークキリム

寸法： 289x78cm

価格： 473,000円

東トルコ、マラティアは、東部トロス山脈のトマ川流域に位置した、肥沃な農業地帯です。
光と水の恵みは、マラティアのキリムに高い評価を与え、その色調の美しさは多くのファンを持っています。

東トルコに多く居住するクルド族は、どの部族よりも長く、２０００年近くも遊牧を続けた人々です。長い遊牧生活の間、彼らは常に良い種の羊を選んで飼育牧畜し、羊の毛を長く柔らかい繊維へと進化させてきました。山岳地帯でありながらも穏やかな気候と豊富な牧草地のマラティアは、最上級のウールを生産し、多くの植物は染料として、織り手たちは色調を楽しむキリム作りに精出しました。

１００年が経過したキリムの鮮やかな色調は、上等のウールのお蔭は言うまでもなく、織り手の技術と様々な自然条件が合った、天からのプレゼントです。それは染料と発色剤、そして媒染剤がピッタリ合った結果、光による色の褪色が最小限に収まっているためです。

昔から資料を書き残す習慣のない遊牧民は、感覚で染めや織りをしました。
織り手は５歳位から、織りをする母や祖母のそばで遊びながら、自然にその感覚や手に織る事や染める事をしみこませていきました。大人になり織る立場に立った時、彼女たちは、それぞれの感性に沿って先祖から伝え継がれたキリム作りに打ち込みました。

鮮やかな色調を一層華やかに見せているのが、アクセントに使われているコットンです。
コットンは使い込むほど白さを増していく性質があり、コントラストの強さがキリムの古さを教えてくれます。
藍、オレンジ、臙脂（えんじ）、小豆色など、どの色も褪色することなく今染め上がったかのように生き生きしているキリムは、時空を超えた新しさで、空間を格調高く演出します。