アッという間に3月です。当ギャラリーの庭には、紅梅、白梅が開き始め、寒い間楽しませてくれた水仙と仲良く、うららかな春の訪れを楽しんでいるようです。
現在トルコで輸出用に織られているインジェ・キリム(薄いキリム)をアップいたしました。織り上がったばかりの新品には、時間を重ねた表情はありませんが、現代の織り手の最高の作品は、出合われた人の益友として、共に表情を作っていける楽しさがあります。
100年に近い珍しい色調のバルケシールは、問屋さんに「自分の傍に置きたい。」と言わせた傑作です。糸、染め、織りの三拍子が揃った緻密な織物は、織手の技術と感性の深さが感じられます。
アディアマンのキリムは、少し若い織手のものです。色彩感覚とアイディア溢れる織手の展開するキリムの世界を、お楽しみください。
どれほどマラティアキリムを見たことでしょう。日本の空間に明るく、やさしくフィットするマラティアは、人気者でした。エージェントがマラティアのクルド人という利点のお陰で、どれほどのマラティアを日本に運んだことでしょう。
これはこれしかないマラティアです。不思議な色調をお楽しみください。
東トルコ、マラティアの肥沃な土地で生産されるアプリコットは、豊かな水と存分に浴びた光が育てた、大地からの贈り物です。エアポートでトルコ通貨を毎回アプリコットに換え、帰国の途に就くのが習慣になっています。
アプリコットの幹や皮も、マラティアでは染色材料です。様々な植物の恵みを染料とした色出しの確かさをお楽しみください。
商業都市であったシバスには、コンヤ同様、多くの色彩豊かなキリムが伝え継がれてきました。
見るからに豊かさを象徴する色調の2枚のキリムです。
一枚はベテランにより、もう一枚は若い織り手により織られています。センスや色彩感覚は、持って生まれたものがあるのでしょうが、技術は、毎日の一歩一歩の積み重ねだと教えてくれます。
中央アナトリアの地中海岸に近いアダナには、様々なサイズや織りのキリムが伝えられてきました。色彩豊かで、素材に工夫が見られるのも、豊かな土地のお陰です。
細い織り機を使い、細かい柄で埋め尽くされたみごとなジジム織りをお楽しみください。
100年以上前の自然がいかに健康であったかを見せてくれるキリムです。
アンティークの2枚とも、色調の褪色は見られず、染め上がった時の糸の色です。上質の水や空気と織手の技術の競演が、見る私たちを当時に誘います。ため息はかりが出てきます。
赤いバルケシールキリムと茶色のコンヤジャジム織りは、どちらも傑作です。近い時代に織られた2枚です。
バルケシールの濃い色彩からは豊潤な土地が、ナチュラルなコンヤジャジムからは乾燥地帯の風景が、それぞれ浮かびます。
ワンちゃんの耳のように見えるのは「ドラゴン」(豊かさをもたらす)です。
約50年ほどの時間差のあるアイドゥンに出合ったのは、1992年と1993年です。
一枚目のキリムは、天然のウールと色糸の透明感に惹かれました。そして2枚目は、伝統を忠実に再現した織手の技術の高さです。勿論、織手の性格がキリムに大いに影響するのですが、どちらも素晴らしいキリムです。
現代キリムを織る織手達は、先祖がそうであったように、一枚一枚のキリムに先祖と変わらないエネルギーで向かっています。
ミラスとデニズリ、現代の糸も色も比べれば、ミラスにかないません。ですが、パステルな色彩に挑む問屋さんと織手のチームは、現代のキリムのNo.1を生み出しました。
文化&伝統とは何か?を教えてくれるキリムです。
若いスタッフやお店の方々の後押しのお陰で、新作キリムクッションが生まれました。
天然のカイセリにかかる時間は、今も昔もほぼ変わりがありません。
部族の伝統を受け継いだ織手達は、商品となったキリムでも手を抜くことなく、大変な時間を使い丁寧に毛を色毎に分け、糸を作っています。彼女たちには、商品のキリムも自家用キリムも、織り上げる事に変わりはないのです。
デニズリの色合わせを若者たちは、新鮮と言います。確かに、キリムズジャパンでは、化学染料のクッションは初めての挑戦です。
なぜか、作ると出て行くのがこのシリーズです。
自然の力を見せつけるマラティアの草木染めは、そのツヤと透明感のある色調から、世界中から愛されているキリムです。が、残念な事に、もはやマラティアでのこの種のキリムの生産は終わっており、出合う方の宝物となる事でしょう。
レイハンリの影響を大きく受けたアダナのキリムは、もっと厳しい状況です。
レイハンリの技術と華やかさを感じさせるキリムは、子どもの着物のような可愛らしさで、出合った方の秘蔵子となることでしょう。
ディアルバクルの乾燥地帯で織られたキリムは、土地の厳しさを伝えていますが、織手はしなやかにあるがままを受け止め、上等のキリムを織り上げています。何世代にも渡り大事に伝え継がれたキリムの姿に、織手をお感じください。
コンヤのジャジム織りは、自身に挑戦を続けているような織り手の作品です。なぜなら、撚りが強く掛かった糸は、せいぜい30cm位の幅でしか均斉を保てないと教わったことがあります。この織手は50cmに挑んでいます。
一月も半ばです。
お天気の良い日のギャラリーは、サンサンと降り込む光のお陰で温室状態です。本日広げた大きなランナーは、マラティアの平原を映しているかのような黄緑が、生き生きとしています。
織り手が気合いを込め長い時間をかけて織り上げたキリムは、平和で豊かなマラティアの昔に私たちを誘います。
クッションにアップしたコンヤは、時空を超えた美しさで、見る者を惹きつけます。
お楽しみください。
一年の終わりに皆様に感謝を込めて、手持ちで一番古いキリムのご紹介をいたしました。
古いことは何よりも勝る事を言葉以上に伝えているクッションです。
今よりはるかに元気だった自然が、織手たちの創造性や感性をどこまでも磨いています。何もないお陰で、人々は工夫や努力を身につけています。何もないからこその出来栄えが、私たちの気持ちを揺さぶり、考えさせます。
一年の終わりです。どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ。
二枚とも素晴らしい出来栄えのキリムです。
黄色系は、生活の中で使い継がれてたキリムです。もう一枚の薄い藍のキリムは別格の織り手の作品です。
100年もの間使われた事自体、奇跡ですが、100年経ってもビクともしないその技術はみごととしか言いようがありません。
お楽しみください。
トルコ、ハッカリの織物は、トルコのクルド族ではNo.1の、精緻さを誇ります。イランのセネには、インドの影響を受けた繊細な柄付けが織り継がれてきました。
2点のキリムは、50~20年位前に織られた近年の織物です。先祖の織物を目標にしながらも、自然の変化や織手を取り巻く環境の変化が、どうしてもキリムに影響を与えます。
懸命に織った子孫たちの織物を、先祖はきっと褒めていることでしょう。
100年以上経過した2枚です。
使い継いだ子孫の姿勢が、これらのキリムの表情を作りました。
チョルムは、使い込まれツルツルです。シバスは、美しさを永遠にと考えたのでしょうか、タペストリー以外に使われてこなかった様です。共に、化学染料のない時代の物、高い技術を持った織手の競演です。
30年ほど前、コンヤニューウエーヴと言われた問屋さんのナチュラルなキリムです。
先祖の伝統に従い、彼らの時代のオリジナル・キリム作りに挑戦し、一時、彼らの時代を確立した彼らですが、時間とお金のかかる手紬糸の草木染めキリムは、サイズと価格が受け入れられず、いつの間にか下火になりました。
伝統を伝え継ぐことの難しさを経験しながらも、時折、このようなキリムを提供してくれる素敵な問屋さんです。
共に100年以上前のキリムです。日本のバブル期に出合った2枚のトルコとは違う色調に、新鮮な驚きを覚えたのを思い出します。
カフカス地方のあちこちに、このように豊かな仕事をする織手がいました。水と光に恵まれた色調豊かなトルコキリムとは違い、山岳地帯の厳しさの中から生まれた色調や精緻な織りが、織り手の姿勢を伝えています。