チェック?100年前?、どうやって織り手達はチェック柄を手にしたの?、訊ねる度、私たちの質問に丁寧に答えてくれる問屋さんです。
インドより西側は、15世紀以降、かなり密な付き合いをしてきたそうです。インドのインディゴが中東からヨーロッパに、チェック柄が西側から中東へ、「道があるのだから運ばれるよ。」と、まるで当時を知っているかのように、涼し気な顔で問屋さんは話します。
お楽しみください。
2001年に手に入れた共作が見られるキリムは、クルド族の一派のヘルキ族のものです。
色調は伝統的なヘルキの色、なぜか半分しか柄がないのを不思議に思いながら二十数年、コレクションルームに眠らしておりましました。
一つの伝承の形です、お楽しみください。
こちら1です。
カフカス、シルヴァン、アンティークは
こちら2です。
コンヤ、トルクメンは、
こちら3です。
当方の都合により約2か月ぶりのアップです。ご心配とご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
言葉を探す大変さを味わいながらの久しぶりのHPですが、キリムが言葉以上にその存在を示してくれます。
これからもよろしくお願いいたします。
斎藤 待子
http://www.kilimsjapan.com/item/16848
http://www.kilimsjapan.com/item/16857
「土から生まれ土に還す」が、遊牧民たちのキリムとの付き合い方でした。
子孫の問屋さんもそれに習い、もうここまでとなったアンティークキリムとアンティーク絨毯をこのように組み合わせました。
先祖からの教えであるばかりでなく、若い問屋さんを虜にするアンティークな織物の持つ力と存在感が見られる古布です。
今が旬と言っている作品を御覧ください。
ナチュラルなベースは、縦糸に強い撚りをかけたアンティークのジャジム織りです。その上に縫い合わされたのは、コンヤのアンティークキリムです。
「土から生まれ土に還す」が、遊牧民のキリムとの向き合い方です。 最後にハサミを入れざるおえなくなったキリムを再生させたのは、子孫である問屋さんの様々な思い入れです。
古くなればなるほど深さを増していくキリムです。
100年以上前の自然がいかに健康であったかを見せてくれるキリムです。ウール良し、染色良し、織り良しの三拍子が揃ったアンティーク・キリムが見せる時空を超えた美しい表情に、目が離せません。
本物の力を御覧ください。
ほぼ同じルートを移動する遊牧民は、身近にある素材を工夫しながらキリムを織り継いできました。
常に創造力を磨き続けている織り手には、バザールで出合った見たこともない素材やデザインは、自身を新しい世界に導いてくれる神様と同じほど大事な物でした。
工夫を楽しむ豊かな感性は、自分だけの作品を生み出していきました。
チェックは日ごろ目にする当たり前の布ですが、100年以上前の織り手は、手探りでチェックを織っています。
問屋さんの先祖のこのチェックはイブラヒム織りと呼ばれています。
シャリ間のある古布は、今が旬の美しさです。
自然が育てた織り手の感性や創造性が伝わるキリムです。
展開される見事な感性の世界と、部族の一員としての現実の世界が一つのクッションの中に見えます。
持ち合わせたアーティスティックなセンスを前面に押し出す事より、伝統を重んじるという姿勢が垣間見えるキリムは、個人の才能より大事なのは先祖からの伝統であるというを物語っています。
横縞柄を伝統的に織り継いできたのがコンヤ、トルクメン族です。
幾何学文様でない縞文様は、見る者の目をそらせる要素に乏しく、うまい下手が一目でわかる、難しい織物です。織り手達は、先祖以上のキリムを作るべく、細く強く丈夫な織物作りに心を砕き続けた結果、滑らかでしなやかで薄い、一目でトルクメンと判るキリムを織り継いできました。
そのような伝統に、織り手の創造性が加わったキリムの表情は、とても豊かです。
トートバッグ作りが慣れてきますと、スタッフは自発的に工夫を始めました。バッグインバッグになるこのように小さなサイズでも、キリムを生かすことが変わらないテーマです。
機能的なバッグでありながら、床に置く絵のごとく、バッグに描かれた絵をイメージしたバッグです。
「最後まで使い切る」が、キリム本来の姿です。
オリジナルクッションを作り始めますと、キリムの小さな切れ端が出始めました。
「生かす」を合言葉に、トートバッグやコースターなどが小物作りが好きなスタッフの手から生まれました。その中での傑作がこのバッグです。
高い技術を持つスタッフのキリムの扱い方に驚き、「生かす」ことの素晴らしさを教わった次第です。
ポカポカ陽気につられ、お雛様を飾りました。
水仙とクロッカスの花はギャラリーの庭から、冬でも様々な花が目を楽しませてくれる日本です。
例年使う緋毛氈(ひもうせん)に変わり、今年はアンティークキリムを敷いてみました。アンティーク額とキリムに囲まれた古いお雛様、先輩たちの存在感に、まだまだ頑張れるわ!と言っているように幸せそうです。
先日、アップしたもう一枚は、あっという間にご縁があり、お客様のお手元で大事にされています。100年以上たったコットンが、アダナには珍しいコチニール系の赤色と他色を引き立て、落ち着いた華やかさを見せています。
100年以上前のシバスです。
上質のウールは透明感のある色に染まり、赤紫色はきっと織られて以来いつの時も、輝いでいたはずです。自然が豊かだった100年前に触れ、感じられる幸せをつないでくれる織り手に感謝です。
春がすぐそこです。キリムも柔らかな日差しを浴び、光の加減で様々な表情を見せています。
シャルキョイのパステルになった若草色は、長い時間と光と織り手の技術が作り出したものです。大きかったキリムのほんの一部ですが、完成されたデザインがキリムの奥の深さを見せています。
お隣は、コンヤ、トルクメンのグラデーションが美しいキリムです。
幾何学文様を持たなかったトルクメンの女性たちは、天然の羊の毛のグラデーションで、気持ちや風景を表現してきました。見事な色分けです。
キリム大好きの私たちには、その布をいかに生かすかが大きなテーマです。
トートバッグにキリム+ボタンを組み合わせたスタッフは、「どちらも生き生きしていませんか?」と胸を張りました。小さなシミのあるキリムをカットするのが嫌で、考えに考えた結果の作品です。
久しぶりのアダナジジムです。宝物を見つけた気分です。愛らしい幸せの結びと見事な仕事です。
1997年に出合いましたが、沢山キリムを見てきた私たちでも、出所の特定が未だできません。
織り手が伝統を踏まえながらも、自由な発想で織ったキリムを見ていますと、交流のない織り手達ですが、「極める」を目指すとき、その方向は偶然にも似ているように思えます。
どのように思われますか?
1800年代のインドより西からヨーロッパの各国は、シルクロードを始め様々な陸路を通じ、交易を盛んに行っていたようです。古い織物が、如実にそれを語っています。
沢山の色糸が遊ぶ万華鏡のような世界を御覧ください。
熟練した織り手の作品ですが、面白い表情のジジムです。
中心の色調と織りは、織り手本来の技術とセンスです。
ボーダーを囲む色使いは、まだ小さな孫娘を感じながらの色調でしょう。エレガントな色調を取り囲む白いコットンは、傷んでもほつれない様にの思いを込め、キクラゲ状態です。
美しさやバランスよりいつまでも使える丈夫さを取った織り手です。自身の技術より大事な孫娘へのプレゼントは、見る者に暖かさを運んでいます。