キリムNo.: KJ34186
産地: コンヤ、トルクメン、アンティークキリムクッション(ウール/ウール)
寸法: 40x40cm
価格: 17,600円
コンヤ地域を移動したトルクメン族は、柄を持たず色調でキリムを織り継いできた人々です。彼らは幅40cm前後、長さが~30m位までの、細長い無地の布を織り継いできました。長い布は、間仕切り、布団カバーやタペストリーなど、用途によりカットされ縫い合わせ使われてきました。
1950年代の定住化政策により、遊牧民の定住が始まりました。
移動しながらの遊牧生活から、土地に定住するようになった彼らは、先祖伝来のキリムを納戸にしまい、私達と同じ生活をするようになりました。外国人が最初に惹かれた伝統的なキリム柄ではないトルクメンの古布は、それ以来、長い間納戸に眠っていました。
それを目にしたイタリア人のアドバイスを受けた問屋さんの手により、色を生かしたパッチワークキリムが誕生したのが、1990年代の終わりです。
上等のウールで深い色調の草木染めの美しい古布は、すぐに注目を集めました。しかし、カットされた小さな古布の山から、組合せを探し、一つの世界を創っていくセンスが試される作業は、誰も真似することが出来ず、この問屋さんの独り勝ちとなりました。
「宇宙」につながるイメージをかき立てるパッチワークです。
真っ暗な空に輝く満天の星、あるいは、真っ青な大空にホンワリ浮かぶ雲、そしてその合間を縫って遊ぶ鳥達、平和で暖かい時間の流れがこちらにも向かってきます。
黒く見えるボーダーは、何度もインディゴを重ね紺色(こんいろ)のように深く濃く染められています。黄色、からし色、黄金色など、黄系も美しい色の数々です。そして、中心に置かれたアクアブルーは、エーゲ海の深い緑色の海を連想させます。
隣の黄色の古布にアクアブルーの布と同じ色のペンキを見つけました。モスクに寄進され番号をつける際、ポトリと落ちた価値あるペンキの跡がある部分を、幸せを運んでくれると言う言い伝えに従い使った問屋さんの誇らしげな顔に、先祖が重なりました。