キリムNo.: KJ39007
産地: カフカス地方、アゼルバイジャン、アンティークジジムクッション(ウール/ウール)
寸法: 40x40cm
価格: 24,200円
平織りされた布に、刺繍糸を横に入れるジジム織り、刺繍糸を斜めに入れていくスマック織り、そして刺繍糸を柄の上に置きその糸を別の糸で止めていくコーチングステッチと、盛りだくさんの技法を使った高い技術の織り手です。
百数十年も経過したキリムは、すっかり無駄毛が取れ、自然光の下キラキラ輝いていました。トルコではほとんど見ない天然のグレーベージュの糸の上になされた様々な技法の刺繍織りは立体感があり、褪色した色糸が落ち着いた雰囲気を見せながら、惹きつける力を見せていたキリムです。
落ち着いた輝きは上等のウールが使われているせいです。丈夫な縦糸と横糸の織物に近づいて見ると、使い継いできた子孫が入れた修理があちらこちらにありました。その時々、子孫たちは懸命に糸を作り修理をしていますが、到底、先祖の技術には及びません。
強いけれど太い撚り、太さは及第ですが甘い撚り、修理した糸の痛みなど、技術を身に付ける事がどれほど大変な事なのかを語っていたキリムです。
しかし、手放すのは惜しいキリムです。長い時間考えた末、問屋さんがする様に、使える所を再生させる事にして手に入れたのが1995年です。
その昔、コーカサスには「黄金の羊」がおり、これを使ったコーカサスの織物は東洋世界で最高の織物であると言われていました。
近年、ジョージア(グルジア)で、メリノ種の中でも飛びっきり上等の毛を産する羊が発見されました。現在ではメリノ種の毛はウールの中でも最高級とされ、オーストラリア、ニュージーランド等で飼育されています。
この時以来コレクター達は、上等の羊毛が使われた卓越した技術の織り手達の織る鮮明で澄んだ色調のキリムを、一層熱心に探し始めたそうです。
そんな上等の昔のウールを手にできた事は幸せです。当時を想像しながらクッションをお使いいただければ嬉しいです。