キリムNo.: KJ17351
産地: イズミール, 新作草木染キリム(30年位)
寸法: 182x118cm
価格: 308,000円
このキリムが広げられた瞬間、何かに心が惹かれました。
ダイナミックに画面一杯に描かれているキリム柄に?いや、そうでなく、微妙に色の違う様々な藍色に、です。
色の名を挙げると、空の水色、明るい緑の青磁(せいじ)、鮮やかで強い青緑(あおみどり)、青、藍、紺、紺より青い紺青(こんじょう)、まるで色見本帳のようにこんなにありました。
問屋さんは「空も海も青く見えるのに色ではない。藍からどれほどの青が出せるのか、挑戦してみたかった。もしかしたら、見たことのない色に出合えるかもしれないだろう?藍が大好きな自分の仕事さ。」と、涼しげな顔で話しました。
日本はどの色にも呼び名があるほど、昔の人達は、色に対してきめ細やかな感覚を持ち、色分けをしています。トルコの草木染のキリムが新しい古いに関係なく、日本の呼び名で呼べるのは、イスタンブールと青森の緯度が同じだからです。その周辺に生息する植物は、似たような色が出るのです。
日本名で呼べるキリムの色は、私たちの着物の色でもあり、アジアの西と東にこのような共通点を見つけられるのは、嬉しい発見です。
赤茶に組み合わされた藍色は、この30年の間に少し褪色を見せています。
どのような空間でも、格調高い存在感を見せるおしゃれなキリムです。
離れて見ると、落ち着いた深い藍色の枠の中で、大きな羊の角の柄に使われた上等の白い天然のウールが、まるでダイヤモンドのように輝き、しっとりした贅沢な草木染の本領を発揮しています。
近づいて見ると、様々な藍色をこの柄でまとめた織り手の自負心が、一つ一つの細やかな仕事から伝わってきます。
腕の良い織り手がいる限り、この問屋さんのキリムに対するチャレンジが、続きます。
羊の角=繁栄、力強さ 狼の口=邪視除け 眼=邪視除け 鳥=幸せの予感
水の流れ=生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い