キリムNo.: KJ8000
産地: イズミール、新作草木染キリム(30年位)
寸法: 155x110cm
価格: 352,000円
自然光の下に置かれた柔らかな草木染は、明るい陽射しに吸い込まれてしまいそうな優しい色調です。見覚えのある女性的な色調は、どこか懐かしく心地よく、桜を連想させます。この色は、桜色にも、桃色にも、藤色にも見えました。
日本の春は、現代でも、満開の桜によって代表されています。紅色染(べにいろぞめ)の最も淡い色が桜色です。
「柔らかい色調ね?」と問いかける私に、「桜の色だよ。桜の薄いピンク色は、私たちも大好きな重要な色なんだ。トルコではピンクは部族によっては「勇気」を表す色なんだ。でも、太陽に愛され過ぎる色でね、すぐに色が抜けてしまう。昔から織り手たちは、色をいかに定着させるかの工夫を続けてきたんだよ。昔の織り手たちは、「勇気」のピンク色がなくなると、糸を抜き改めて新しいピンク色でそこを埋めた。」
「化学染料におけるピンク色は、たくさんの織り手たちを救ったんだ。昔の草木染のキリムにピンクの化学染料の色がアクセントのように使われているのは、そんな理由もあるんだよ。」
あくまでも草木染のキリムにこだわる問屋さんは、ピンク色対策として、藍色をチョッピリ加えたそうです。藤色に近い表情が見られるのはそのためです。藍色は命と言ってはばからない問屋さんには、色は無限のようです。
日本の家の中どこにでも似合うキリムですが、日本間に敷かれたら、キリム織りより綴織り(つづれおり)と見間違う人がいるかも知れません。細かい織りと柄付け、そして私たち日本人好みの色調は、キリムの持つ力と幅の広さを見せながら、見る人を常に穏やかで豊かな気持ちにしてくれます。
眼=邪視除け 羊の角=繁栄、力強さ 足かせ=友愛 星=幸せへの願い