KJ30728、234x68cm、コンヤ, トルクメン, オールドキリム

商品, 逸品キリム

キリムNo.: KJ30728

産地: コンヤ, トルクメン, オールドキリム

寸法: 234x68cm

価格: 286,000円

固く強く撚られた横糸がびっしり入れられたキリムは、床敷きとして使っても、まだまだ壊れそうにありません。上等のコルクウールが使われた贅沢なキリムは、自然光の元、ダウンライトの下、どこに置かれても絹のように艶やかな光を放ち、見飽きることがありません。

100年近い間、大事に使われ続けられたキリムは、時空を超えた表情が本物とは何かを見せてくれます。使い継がれたものが現代の空間で見せる存在感は、多くの人達に支持され、大事に伝えられてきた力です。

l866年、ドイツで生まれた化学染料は、瞬く間に中近東やヨーロッパに広まりました。それまで、植物染料で染色をしていた織り手たちには、驚くほど鮮やかで、見たことのない色調は、どうしても使ってみたい憧れの染料だったのです。
化学染料の新しい色調は、創造力豊かな織り手たちの感覚にフィットしました。とは言え、高価な染料を手に出来たのは、部族の長や高度な技術を持った織り手のみでした。

この織り手は、濃茶、チャコールグレー、ベージュに天然のウールを色分けしながら使っています。黄金色は植物のようです。ピンクが化学染料です。
柄のみならず、色にも意味を持たせる彼らです。ピンクは「勇気」を意味します。
植物染料ですと、バラ、チューリップなどの花々やベリー系の果実で出る色ですが、光は大好きな植物染料の色をすぐに褪色させてしまいます。
「勇気」のピンク色がなくなると大変です。織り手はその部分の糸を抜き、新たにピンクに染めた糸を入れ直すという作業を、長年続けてきたのです。

100年前後もしくはそれに近い古いキリムで、ピンクだけが目立っているキリムを良く見かけます。これは、ピンクだけに化学染料が使われていたせいです。
どんなに技術やセンスの高い織り手でも、織り手にとっては、家族への愛がすべてでした。
キリムを織る事は家族の為であり、その深い気持ちは、枚数を重ねる事に昇華され、自然の力を借りながら、彼らのキリムは工芸品としての美感を備えてきたのです。




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