キリムNo.: KJ34087
産地: インド、アンティーククッション(コットン/コットン)
寸法: 38x38cm
価格: 24,200円
買い付けの楽しみは、見たこともない織物に出合えることです。
幅広い価格帯でクッションを専門に作っている問屋さんの楽しみは、手にした古布やアンティークキリムで、アートのようなクッションを作ることです。価格度外視のそれらは、唸るほど細かい織りや見事な色調、見たこともない織り方や色合わせなど、アートな布として、どこに置いても空間の主役になるほどの存在感です。
出かける度、いつも様々な表情のクッションを紹介してくれる問屋さんには、私たちは心待ちにしていたバザールを興味津々歩き回る遊牧民の女性たちのように見えたらしく、いつも、コレクションルームに案内し勉強させてくれます。
「これは何?」と問いかけたのは、化学染料で染めた綿糸で織られた、万華鏡の世界の様にカラフルなクッションです。どこか、インドの精緻な織物を連想させます。
縫い糸の様に細い綿糸を使い、クロスステッチで画面全体を見たこともない細かさで埋めています。床敷きとして使われてきたようで、綿の織物はとてもしなやかです。
表の細かい刺繍を支える土台として使われている裏地は、何と、手より少しい大きい木にデザインを彫り、それにインクを付け木綿生地の上に押しながら柄を付けていく、インドの伝統技法のブロックプリントです。
「なぜ上等の手仕事を裏地に使うの?」に「私が生まれる前からあった古布だ。この織り手には、それほど大事な織物だったんだよ。先祖も自慢のキリムと交換したんだろうな。」「ヨーロッパ生まれの化学染料が早い内にインドに伝わっても何の不思議もないからね?各地がつながっているんだよ。」と、しみじみと話した問屋さんです。
強く撚った綿糸を、ピンク、オレンジ、赤、黄緑、深緑、青、紺、紫、黄、からし、焦げ茶に染めています。
綿の産地、ウールの産地、地球のどこでも、手元にやってきた見たこともない新しい染料に、好奇心一杯で一層やる気満々の織り手達の顔が浮かびます。
古布は4枚のクッションに作り替えられました。