→キリム長さ 2m以上, 商品
キリムNo.: KJ12217
産地: アゼルバイジャン(シルヴァン), ベイリーオールドキリム
寸法: 219x128cm
価格: 352,000円
1994年のイスタンブールのマーケットのひときわ大きなキリム店で、目に飛び込んできたのは、ソ連邦崩壊後、元気で野心満々の若者たちが陸路担いできたカフカスのキリムです。奥の白い壁に掛けられた数枚のキリムは、遠くからでも織りの細かさ、染めの確かさが目を惹き、別格でした。
トルコの色彩豊かなアナトリアキリムとも、細かい柄付けを得意とするシャルキョイなどのヨーロッパ側のキリムとも違う、落ち着いて堂々としたパワーを発するキリムに惹きつけられるように近づきました。「世の中が変わったお蔭で手にできたカフカスのキリムだよ。持っている間に100年が過ぎるよ。」と言いながら、問屋さんは惚れ惚れとした表情で、これらのキリムを眺めました。
カフカス地方は、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア、ダゲスタンそしてロシアをまたぐ山岳地帯です。この地域は絨毯の生産が多く、キリムの数や模様のパターンは絨毯ほど多くはありませんが、キリムの質の高さは世界でも高い評価を受け、コレクターが探すキリムの一枚と言われていました。
古代以来、最も称賛されたコーカサスの織物は、最上級の黄金の羊を使い、織り手が創造する鮮明な色の展開と、誰も真似できない緻密な技術の3拍子が揃ったキリムです。
このシルヴァンはまさにそのキリムです。黄金の羊は後にとびっきりのメリノ種であることが解明されました。
織り手は、縦糸をウールと綿を撚り合わせ作っています。綿の白をアクセントに、ブレのない正確な仕事が、織り手の高度な技術を伝えています。化学染料と植物染料を使いながら染め出した様々な色は、白い綿とのコントラストを楽しみながらボーダーを囲み、フィールドのキッチリとした正確な縞柄に遊びを加えています。
すっかり無駄毛が取れたキリムは、どこに置いても光を放ち、見る事を飽きさせません。
世界が一つの現在では、もう織る技術もこれほどの根気も二度と表れないでしょう。出合われる方のそばで放つ様々なエネルギーは、持つ人の世界を豊かに広げてくれます。
水の流れ=生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い
眼=邪視除け