キリムNo.: KJ30695
産地: コンヤ、イブラヒム織りアンティーククッション(ウール/ウール)
寸法: 36x35cm
価格: 9,350円
遊牧民部族の数は延べ1000も2000もあったと言われます。様々な部族が、バラエティー富んだ織り方を織り継いできたのがトルコのキリムです。
縦糸に対し横糸を入れ縦糸が見えなくなるまで詰めていく技法がキリム織りです。キリム織りは横に入れた色糸で柄を付けます。日本ではこの織り方が綴れ(つづれ)織りです。トルコではキリムは平織りの総称であり、ジジム織り、スマック織り、ズリ織りなどの織り方もキリム織りの中に入ります。
イブラヒム織りは縦糸で柄を付けます。
縦糸で柄を付ける技法は、ジャジム織りがあります。縦糸に通常の何倍も強く撚りをかけるジャジム織りは、縦糸の幅が広くなるとツレや撚れが出るため、幅30cm位が限界です。織り手は細く長く織った布を、用途によりカットし縫い合わせ使いました。
問屋さんは、ジャジム織りを含め、縦糸で柄が付いている織物をイブラヒム織りと呼んでいます。どうやら、イブラヒムは縦糸で柄を付ける織物の総称のようです。
このクッションは、日本では綾織り(あやおり)です。綾織りは、縦糸と横糸が平織りのように交互に織られるのでなく、縦糸2本あるいは3本ごとに横糸を入れていきます。折り返す時、縦糸を一本ずらし横糸を入れます。これを繰り返すと織り目が斜めに走ります。
この古布は、トルクメン系の織物を収集している問屋さんで出合いました。
「太陽のようなオレンジ、かわいいです。細かい柄、細い糸、まるで日本の古布と言われてもうなずきそうなほど緻密ね。」という私たちに、「繊細な織物だ。上等のウール、鮮明な染、糸の細さ、織りが心底好きだった織り手が様々な技法を一枚に集結させた傑作だ!」
「強く撚りをかけた細い縦糸をチェックの柄に従い織り機に張る。チェックになるように色を合わせ、横糸で綾織りをしている。チェックの中の柄は、織り上がった後、縫い糸のように細い色糸でジジム織りしている。見事だ!」と撫ぜながら繰り返し、まるで織り手になったように説明してくれたオーナーさんです。
織り上がったばっかりのように深く豊かな表情を見せる100年前のイブラヒムは、永遠の姿を見せているかのように、見事です。
ps:「繊細な古布が苦しがりそうだからファスナーは付けない。」と、こだわる問屋さんです。ファスナーの代わりの4cm幅の裏地布が重なっています。
眼=邪視除け、 クロス(十字)=邪視除け