キリムNo.: KJ35553
産地: トルコ、バルケシール、オールドキリム(ウール/ウール)
寸法: 135x94cm
価格: 374,000円
2007年に出合ったのは、織り上がったばかりかと思ったほど、コンディションの良い、大変に凝ったジジム織りです。
問屋さんは「織手は一番上等のキリムをモスクに寄贈したんだ。このキリムには裏にモスクが所有したとの証明が書かれているよ」と裏も見せてくれました。
織手が精魂込めたキリムは、考えるまでもなく、私たちの逸品となりました。
バルケシール地域のジジムと推測される細かい織りは、もはや貴重品となり、珍しいキリムの一枚となってしまいました。
小豆、藍、からし、ピンク、抹茶、オレンジ、紫、グレーの色を(自由自在にか?計算しつくしてか?)、ほぼ同じバランスで使いこなした織り手の力量は、たいしたものであり、とても珍しいことです。
型紙がなく、自由自在に画面に向かえるキリムは、織り手の心の表現と言われます。
気持ちが織り込まれるキリムが、キリム本来のスタイルであるとすれば、カッチリと伝統というルールに則って織られたかのように見える、遊びのないこの織物は、几帳面な、心に揺れのない、意思の強い、織りの達人が、次世代へ継ぐべく織った教材というべきでしょう。
時間、光、空気の自然の力が褪色させる色調は、時に、キリムが織られた当時のイメージとは、違った印象を生み出しますが、それもありません。
なぜ、このようなキリムがあるのか、どの問屋さんに聞いても、的確な答えは返りません。
でも、織ることが生きることというキリムの哲学がここに見られるようで、眼が離せない織物です。
エリベリンデ(腰に手を置く女性)=繁栄、多産、豊穣 眼=邪視除け S字フック=邪視除け
水の流れ=生命をささえる水が、常に身近にありますようにとの願い