KJ14925-C

KJ14925-C、172x29cm、アダナ, アンティークジジム

キリムNo.： KJ14925-C

産地：アダナ, アンティークジジム

寸法： 172x29cm

価格： 176,000円

１９９６年秋に目を惹いた古布は、日本の赤を思い出させるしっとりした茜色の刺繍織りでした。アンティークと言われ手に入れてから１７年間当方で眠っていました。
久しぶりに広げたキリムは、自然光の下で年を重ねた自然のみごとな色を見せています。　３枚にはがれた古布は、別格の表情を見せ、褪色した美しさは見る者を惹きつけます。

キリムのご紹介を始めて２５年、お客様も文化や伝統として伝え継がれてきたキリムの使い方を、ご自分なりに使いこなされる方々が多くなってきました。
現在、人気のあるキリムは、テーブルランナーやタペストリーに使える、暖かく、細い古布です。古布が人気なのは、自然が褪色させた何とも言い難い植物の色調や、上等のウールが使われた高度な技術が、自分の空間で楽しめると言った理由からです。
１００年以上の実力が見せる色と形は、まさに「古いは新しい」を表現しています。そんな古布が創り出す特別な空間で、出合われた方は、文化や伝統を感じながら、気持ち良い想像の時間を遊べます。

３枚にはがれた古布と対話した結果、３枚を別々の布にする作業に入りました。
１００年以上も前の布に触れていると、色々なことが見えて来ました。
この布の織り手は、茜一色の細く長い布を１００年以上前に織りました。長い布は３枚にカットされ接がれ、１８０ｘ９０ｃｍ程の大きさにしました。茜の深い表情を見せるとびっきりの細かい織りで、優しい穏やかな表情の暖かい布は、ハレの日に使われる上座の席の敷物などとして、使われたことでしょう。

見事な織りの布を受け継いだ子孫が、後にキリム全体に刺繍を入れています。
３枚の両側はこのように天然の濃い茶色の糸で、くっきりと印象的な雰囲気にしています。
華やかになった布は、テントの中央のタペストリーや入口のドアー飾りなど、人目に付く場所に、自慢げに飾られたはずです。
３枚に分けられた古布は、出合われたお客様の空間で、優雅な表情で見る者を魅了し続けてくれます。カーブに織られている古布を「かわいらしい！！」と思ってくださるお客様に出合えますようにと願います。