キリムNo.: KJ37661
産地: コンヤ, オールドキリム
寸法: 121x66cm
価格: 123,200円
「小さなランナー」にあるKJ37661と同じキリムです。コンヤ、ジハンベ村という
始めて耳にする地域の、4m近い長さがあった上等のランナーの一部です。
直径が4~5mの円いテントの中、ハレの日や特別の来客などを歓迎する為に敷かれたランナーです。小物袋、衣類袋、間仕切りに使われるタペストリー、など、様々なキリムで埋め尽くされたテントの中、4m近いランナーは特別の存在でした。
お客様が集う日は、その家の主婦の織りの技術のお披露目の日でもありました。
「良いキリムを持って嫁ぐ娘は、婚家に幸せをもたらす」と言う言い伝えがある遊牧民です。高い技術を持ったセンスの良い主婦の娘は、未来の嫁として、早くから結婚相手が決まったそうです。
糸、染めと織りの三拍子が揃ったキリムは、いざと言う時、その高い評価のお蔭で、多くの物を婚家にもたらしてくれました。羊やヤギなどの家畜と同じく上等のキリムは、生活の安定をもたらしてくれる財源だったのです。
何十年も大事に使い継がれ、無駄毛がなくなったキリムですが、大きな穴がありました。
現代のツヤのない修理糸では、時間をかけて光が育てた雰囲気が変わってしまいます。問屋さんは、直すよりカットを選択しました。
現在、眼に映る柔らかできれいな色は、ウールの芯が引き出してくれる色です。窓のそばの自然光の下、室内のライトの下、明るい部屋、暗い部屋―置かれる場所で表情を変えながら、どこに置かれても、織り手が発揮する抜群の存在感を見せてくれるキリムです。
沢山の人々を笑顔にしながら美しさを研いてきたキリムは、これからは、持つ方をいつも笑顔にしながら、“益友”としての役割を果たしてくれることでしょう。
鳥=幸せの予感、 眼=邪視除け