キリムNo.: KJ22756
産地: コンヤ、草木染キリム
寸法: 148x122cm
価格: 154,000円
固く強く撚られた手紬糸がびっしり入ったキリムは、このサイズの他の産地のキリムの倍以上の重さがあり、いくら使い込んでも壊れる心配のないキリムです。
コンヤの伝統的キリムは、固く強く太い糸を手で紡ぎます。キリム織りは、織り機に糸を掛けた所で80%が終わると言われるほど、糸作りは時間のかかる大変な仕事です。
ある夏、コンヤを訪れた時の話です。問屋さんに織り場を見たいとお願いしたところ、快く連れて行ってくれました。訪ねた場所は、広い畑のある農家です。
炎天下、二人のおばあさんが、ツヤツヤ光るウールの塊を左手に、右手にワーブと呼ばれる竹とんぼのような糸紡ぎ機を持ち、立ちっぱなしでおしゃべりに神経を集中させながらも、手は無意識に糸を紡いでいました。初めて見る光景に興奮し、様々な質問を浴びせかける私たちに、笑顔で答えながらも、二人の手は止まることなく動いています。
部屋に入りお茶をいただき、その後、織り場で織り機に縦糸を張る作業を見せてもらいました。約2時間後、外に出ると、二人のおばあさんは同じ場所で、同じ姿勢で、おしゃべりを続けながら手を動かしています。側には大きな糸の塊がいくつか出来上がっています。「ずっとここで仕事をしていたの?」に、大きな笑顔を返してくれた彼女たちです。
どうやら、この人たちには仕事をしているといった意識はないようです。
「遊牧民の女性たちには織る事は、眠る事、食べる事と同じ生活の一部だよ。」と言ったキリム問屋さんの言葉をこの時、納得しました。
生活の一部が織る事である織り手たちは、無意識に手を動かしながらも、手は持てる力の限りを使って糸を紡いでいます。染める事も織る事も然りです。
多様な図案を持つコンヤキリムは、フィールドを柄で埋め尽くし、その色調は豊かな土地のお蔭で、多種多様な色が用いられています。
このキリムもコンヤの伝統に沿った柄付けと色調です。
力量ある確かな腕が織り上げた20年ほど前のキリムは、使い続けることによりウールがツヤを増し、色調に深みが出て来ます。いつまでも使い続けられそうな力強く大らかなキリムをかたわらに置けば、きっと明日を元気にしてくれるでしょう。
ミフラブデザイン=礼拝用文様 ベレケット=豊穣 狼の口=邪視除け
S字フック=邪視除け 足かせ=友愛 櫛=幸せな結婚を守る