KJ13092、167ｘ110ｃｍ、コンヤ、ベイリーオールドキリム
キリムNo.： KJ13092
産地： コンヤ、ベイリーオールドキリム
寸法： 167ｘ110ｃｍ
価格： 220,000円
１９９５年に手に入れたキリムは、かれこれ１００年に近いコンヤのキリムです。
広げられたキリムは、全体に靄（もや）がかかったかのようなぼやけた輪郭の不思議な表現でありながら、光の動きと共に、それぞれの色が目を覚まして抜け出てくるような、独特な表情を持った大人っぽいキリムでした。
見た当時は、真ん中から半分に家具が置かれていたため、光が当たっていた部分が褪色し、上下が濃淡のような表情を見せているのだろうと考えていました。家具を置いた人が、時々上下をひっくり返していればよかったのにと、少々恨めしい気持ちを感じながらも、不思議なキリムは我々のコレクションになりました。
チェックのため、後ろにひっくり返してビックリしました。
光のいたずらではなく、織り手の仕事でした。意識してか、無意識なのか、織り手が何度も色掛けをして手にしたのは、紺色よりも濃い鉄紺（てつこん）です。全体を濃い藍色で染めるのではなく、藍色に強弱を持たせたのは、意図的なのか？染料が無くなってしまったからなのか？織り手に直接聞いてみないとわかりません。
が、きれいに入れられた数々のデザインと織りの滑らかさは、織り手の力量の高さを伝えています。
織られた当時から、上等のウールが見せる黄金色は艶やかで、まるで小判のように光を放ち、藍色のグラデーションはキリムに奥行を与え、赤色が見せる複雑な表情も見る者を飽きさせなかったはずです。
織り上がったキリムは、ウールの美しさが藍色と黄緑の相性の良さを一層引き出すといった相乗効果に自然の力が加わった結果、１００年近い時間を表情を変えながらも、いつも違った表情で見る人の目を奪いながら輝き続けてきたのです。織り手の力量に素直に脱帽です。
足かせ＝友愛、眼＝邪視除け、 星＝幸せへの願い、 狼の口＝邪視除け
ベレケット＝豊穣、 鳥＝幸せの予感、樹＝不滅の繁栄
水の流れ＝生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い