キリムNo.: KJ31611
産地: ウズベキスタン, アンティークジャジム (ウール/ウール)
寸法: 161x30cm
価格: 67,100円
ジャジム織りと呼ばれる縦糸で柄を表現する技法を用いた、ウズベキスタンの古布です。ジャジム織りは、イランのシャーサバン族、カフカス地方のウズベック族やトルクメン族などにも伝えられてきました。彼らは、幅約10~30cm前後の長い布をまず織ります。必要に応じてカットし、3枚や5枚に剥ぎ、毛布、カバー、間仕切や壁掛けなどに加工しました。
織り幅が狭いのは、縦糸に強く掛けられた撚りのせいです。撚りの強い糸は、幅が30cm以上になるとよれてしまい、縦糸を平らに張ることが難しくなり、滑らかに織れない原因になります。ジャジム織りは熟練した織り手のみが出来る作業です。
日本の織物かと見間違うほど、緻密な織りをウールでしています。何度も撚りをかけ、細く固くよった糸を縦糸に使います。
縦糸を織り機に掛ける段階でデザインは決まっており、織り手は柄を念頭に置き、縦糸の本数を数えながら糸を張ってゆきます。横糸を入れながら縦糸で柄を付けるため、縦糸の柄部分の裏側は、浮き糸が渡っています。
キリムが横糸でデザインを表現するのに対し、ジャジムは縦糸で柄を表現する織物なのです。キリムは織り手の伸びやかな感情表現であるのに対し、ジャジムは正確さが要求され遊びが少なく、織り手の熟練度を示す織物と言ってよいでしょう。
ウール糸でありながら強く細く、まるで綿糸のような糸が見せる繊細な表情は、日本人の感覚にぴったりです。幾何学文様の落ち着いた色調のキリムは、おしゃれな空間作りで、遠慮がちにアジアンテイストを感じさせながらも、自然に馴染みます。
馴染みある弁柄色(べんがらいろ)に近い赤茶、紺色より濃い青色と深緑の落ち着いた組み合わせが、アジアは一つと語っている古布です。
*先祖に近づこうと頑張る、問屋さんの懸命な修理が、現代糸で入っています。
眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、たくましさ、 ベレケット=豊穣、 水の流れ=生命をささえる水が常に身近にありますようにとの願い、