キリムNo.: KJ31700
産地: コンヤ, トルクメン族, オールドランナー
寸法: 249x58cm
価格: 113,300円
常に移動を繰り返し生きたトルクメン族のキリムは、横縞です。織り幅は50~70cm前後です。織り機を地面に水平に設置し織ります。また、長さは長い物ですと30m位にもなります。長く織り、必要に応じカットし、袋、間仕切り、タペストリーや床敷きを作ります。
茜が褪色し柔かい表情になったキリムは、天然のウールの白と焦げ茶のアクセントが柔らかい表情を引き締めています。そして、茜に見られるグラデーションは、茶色いウールを染めており、織り手の創造力の豊かさに見る私たちの気持ちも膨らみます。
これは本来、3枚に剥がれていた布で、タペストリーであり、布団カバーとして作られたキリムです。
彼等は直径約4~5mのテントの中、夜は私たちと同じくフトンを敷くようにして就寝していました。狭いワンルームでは、日中、フトンはたたまれ、テントに沿ってぐるりと置かれました。織り手たちのセンスは、夜具が日中人目に触れることは美しくないことだったのです。
丁寧に美しく織られたキリムに、織り手は片方だけ、かわいらしいボンボンを付けました。カットされた縦糸と縦糸を通常のようにステッチで留めるのではなく、固結びし、その上にボンボンを結ぶという手間のかかる作業は、織り手の徹底した美しさの追及なのです。
現代の問屋さんたちは、このボンボンを見ると、子供のような表情に変わり、まるで自分が作ったかのような懐かしさで見惚れています。先祖のアイディアを何とか生かそうと、もうどうにもならないボンボン一個の使い方にも、私たちに知恵を絞る事を求めます。
こんな時が、彼らと先祖が繋がっていることを納得させられる瞬間です。
このボンボンを「かわいい!」「懐かしい!」と感じてくれる方に出合えますようにと、やさしい表情のキリムが申しております。