→キリム長さ 2m以上, 商品
キリムNo.: KJ21627
産地: イラン、オールドキリム
寸法: 325x136cm
価格: 220,000円
2000年に出合ったキリムは、無駄毛がすっかり取れ、大きな眼の大胆なデザインでありながら、渋い色調は落ち着いた雰囲気で、自然光の下、静かな空間を作っていました。
トルコキリムを見慣れた私たちには、思わず目を擦ってしまったほど、輪郭がぼやけた柄付けが珍しく、気を引かれました。
トルコキリムは、伝統的に柄を作る色糸と色糸の間にスリットを入れるため、色と色が混じり合わず、輪郭がくっきりときれいに仕上がります。様々な理由がありますが、オスマン・トルコと言う約400年続いたトルコが最も隆盛を極めた時代、諸外国との盛んな交流は、交易のみならず、文化や伝統にも大きな影響を与えました。
トルコキリムが行き着いたのが、「実用」を含めた「美しさ」だったと、個人的に思います。色の切れの良さも、トルコキリムが求めた一つの美しさです。
トルコがスリットを作りながら織りをするのに対し、多くのイランキリムは色糸と色糸を掛け合わせるため、スリットは出来ず輪郭がぼやけます。これがイランキリムの伝統です。
これも様々な理由があるはずですが、比較的高地を移動した遊牧民は、寒さ対策として、実用的なキリムを織ってきたのではないかと思います。
何代にも渡り大事に使い継がれたキリムは、すっかり無駄毛が取れしなやかです。茶系は天然のウールの濃淡です。藤色やオレンジ色はどのような植物から贈られたのか?想像するだけで、楽しさが湧いてきます。長い時間が、天然の茶を含めすべての色のトーンを同じにしています。
何枚ものキリムを織った熟練した織り手は、こんなに大きなキリムでも、同じタッチで織り上げています。どこの国でも羊やヤギがいる限り、織り手たちは当たり前の事として、キリムを家具として、嫁入りの持参品として織り継いできました。
互いに、情報交換をした訳でもないのに、同じレベルの素晴らしいキリムを織上げる織り手たちの心根は、通じ合うものがあるのです。
眼=邪視除け ドラゴン=豊かさをもたらす