KJ32384、169ｘ118ｃｍ、イラン、セネ、オールドキリム
キリムNo.： KJ32384
産地： イラン、セネ、オールドキリム
寸法： 169ｘ118ｃｍ
価格： 286,000円
織られたのは５０年も前ですが、代々大事にしまわれ、特別な時にのみ披露されたとしか考えられないキリムは、織られた当時のままの表情を見せています。細かさもさることながら、深い藍、茜とオレンジの組み合わせが醸し出す華やかさがセネキリムとしては珍しく、惹かれました。これを受け継いできた子孫たちも、このキリムの持つ華やかさに魅せられ、特別な布として伝えてきたのでしょう。
花や動物の細かい柄がフィールド一杯に果てしなく繰り返される柄付けは、イラン、セネ（Ｓｅｎｎａ）のクルド族により織り継がれてきました。クルド族の数あるキリムの中で最もよく知られたキリム柄です。
セネには古くから絨毯やキリムの工房があり、洗練された都会の需要を賄ってきた町です。多くのデザインは、インドの刺繍や錦織りなどの、細かい花模様の影響を受けていると言われています。
私たちが考える以上に昔から、インドより西、中近東そしてヨーロッパは、様々な面で深い交流があったのです。
多くのセネ・キリムは、トルコのバンやハッカリ同様、茜、藍と天然の白の色調です。そんなセネをたくさん見てきた私たちには、このキリムの持つ色調の華やかさは格別です。
伝統的な色調を十分に承知したうえで、織り手は自分の感性に従い独自のセネの世界を展開しています。そこはまさに彼女の夢見る楽園です。藍で象徴される水溢れる大地、茜で象徴されるのは豊かな大地、そしてオレンジは満ち溢れるエネルギーです。
使い込んでいくことにより変わっていくキリムの表情は、常に持つ人の気持ちを豊かに満たしてくれることでしょう。
眼＝邪視除け ベレケット＝豊穣 花＝子孫繁栄 鳥＝幸せの予感
櫛＝幸せな結婚を願う