キリムNo.: KJ37656
産地: コンヤ、チョルム, アンティークキリムランナー(ウール/ウール)
寸法: 190x57cm
価格: 220,000円
右にあるKJ13148に出合ったのが1995年です。
それから18年後の昨年の春、同じ問屋さんでこのキリムに出合いました。笑顔の問屋さんは、「コンヤ・チョルムのアンティークだよ。君たちがチョルムを選んだ時を忘れないよ。あの時は知識が少なかったね。」と話かけてきました。
当時、駆け出しのキリム問屋さんの彼は、KJ13148がいかに良いキリムなのかを片言の英語で精一杯語ってくれました。見た瞬間に我々の目を捉え、素晴らしい存在感を発揮していたキリムに、説明はいりませんでした。彼の説明も、彼が付けたアンティークキリムの控え目な値段も気に入り、それ以来、当方のコレクションルームで温めていました。
チョルムは黒海地方にありますが内陸にあり、約4000年前から町があったそうです。豆好きなら毎日でも飲み続けたいほどおいしいスープのヒヨコマメの生産は有名で、収穫期にはトルコ各地からの買い付けの人々で賑わう町です。
問屋さんの説明によれば、近くを流れる川のお蔭で灌漑が行なわれており、中央アナトリアに近い特徴を持つ町は、キリムの織り手にも多くの恵みを与えてくれました。
年間500kmを移動する遊牧民が、チョルムのキリムを目にしていてもおかしくはありません。また、コンヤは昔からキリムの集散地であり、トルコ各地から沢山のキリムが集まりました。ここで取引されたキリムがコンヤと呼ばれてもおかしくありません。
長い間の経験に鍛えられた問屋さんのお蔭で、私達の知識も一つ増えました。
茜、藍、黄の色は褪色し、しっとりした雰囲気になりました。オレンジ色がしっかり定着しているのは、鉱物を媒染剤に使ったからではないかと推測します。
時空を超えた力を持つキリムは、見る者を惹きつけます。100年と言う時間と織り手の技術とウールの力が生み出した雰囲気は、どのような空間に置かれても穏やかな存在感で、いつも使う方の味方をしてくれます。
眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、たくましさ、狼の口=邪視除け