キリムNo.: KJ33719
産地: ベッサラビア, セミオールド
寸法: 294x78cm
価格: 242,000円
当時は、明るく薄い緑色の浅緑(あさみどり)だったと思われる色が、今ではパステル調の緑青になりました。日本ではこの色を白緑(ひゃくろく)と呼びます。この色を言い当てた的確な呼び名のような気がします。ココアのような、ちょっと黄みを含んだ茶色との2色をベースに、ベッサラビアの伝統の花柄を織り込んでいます。化学染料を使った2色ですが、キリムの何ともいえない優しさが、見る人を穏やかな気持ちにさせてくれます。
この様なパステル調は、遊牧民の伝統からははずれた、織り手の創作の世界と言っていいでしょう。
キリムは30年ほど前から、工芸品として、またインテリアアイテムとして、外国人から高い評価を得るようになりました。先祖代々伝えてきたキリムは、彼らの文化です。
そんな文化を尊重しながらも、新しいキリムを生み出そうと考える人々が、いつの時代もいます。このような人々の挑戦が、先祖の文化と融合し、キリムの間口を広げてきたのです。
「パステルカラーは日本人とフランス人の好みなんだよ。これは敷かれる場所をイメージして織ったんだ。赤い花はゆっくり寛いで、明日のエネルギーを蓄えてくださいと言う、僕からのメッセージだよ。」髭だらけの顔から覗くやさしい目は、どんな日本を想像していたのでしょうか。