キリムNo.: KJ36077
産地: コンヤ、オールドジジム
寸法: 123x85cm
価格: 132,000円
80年位前に織られた、いかにもコンヤらしい華やかさを持つチュアル(衣類袋)だったジジム織りは、大事に使い継がれてきたお蔭で無駄毛が取れ、どこにあっても艶やかで、持つ満足感を与えてくれます。立体的なジジム織りの美しい色調は、落ち着いでいながら華やかさも演出し、空間にも見る人にも温かさを運んできます。
平織りされた地は、強く丈夫に撚った上等のウールが使われています。
ジジム(刺繍)織りには、紫、緑、オレンジ、茜、藍の色糸と天然の白が使われています。
どれも、地の臙脂(えんじ)の糸と同じくらい上等の糸で、長い時間使われ継がれたのにもかかわらず、傷みがありません。これは、織り手が糸作り、糸染め、織りのすべてに高い技術を身に付けていたことを語っています。
ジジム(刺繍)織りは、臙脂の赤糸を横に入れた上に、それぞれの色糸を入れてゆく織り方です。織り込むデザインを念頭に置きながら、色糸を変えて織っていきます。地になる赤糸の表情も楽しめる織り方ですが、通常のキリム織りの3倍も時間のかかる技法です。
ジジム織りは、ヤストク(枕、小物入れ)やチュアル(衣類袋)などの袋物に良く見られる技法です。水や草を求め次の場所に移動する遊牧生活で、ヤストクやチュアルは、ヤギやロバそしてラクダの背に括り付けられ物を運ぶ役目を果たしました。また、織り込まれた部族のデザインは、日本の家紋と同じく、その部族を認識する役目も果たしていました。
移動の際、人目に触れるこれらの袋が様々なキリムの中でも特に美しいのは、移動を目にする他部族に対して、部族の力と織り手の力量を誇示していたからだとの説もあります。
この衣類袋に織り込まれているのは、豊かさにつながるデザインです。
娘の嫁入りの持参品だった袋に込められた母や祖母の大きな願いや思いのお裾分けを、使う方もいただけそうな、幸せを運ぶジジムです。
眼=邪視除け、 羊の角=繁栄、たくましさ、
エリベリンデ(腰に手を置く女性)=繁栄、多産、豊穣