kj17497、110cm X 64cm、コンヤ、オールドキリム

キリム長さ 120cm前後, 商品

キリムNo.: kj17497

産地: コンヤ、オールドキリム

寸法: 110cm X 64cm

価格: 47,300円

不思議な表情を見せるのは、細長いチュアル(衣類袋)の裏側だったキリムです。
まだ若い織り手が、懸命に糸を紡ぎ、撚り、染め、先輩である母や祖母に教わりながら、時にため息をつきつつ、動かない手を動かし、頑張った結果のキリムは、いかにも手織りらしい姿で、見る私達の笑顔を誘います。

遊牧民の女性たちは、家具であるキリムを自分で作らねばなりませんでした。また、いずれ、子供の嫁入りの持参品として持たせる二十数枚のキリム作りは、母や祖母がそうであったように、嫁ぎ先での彼女たちの仕事でした。

織りを始めたばかりの織り手にとり最大の難仕事が、縦糸を織り機に均等に掛ける作業です。糸を掛け始めた右側は目がつんでいますが、左に進むに従い、縦糸の加減が少しずつ分かってきたのでしょう、この袋の大きさに最適な間隔になっています。
ウールより丈夫で、引っ張り過ぎても切れる事のないコットンを縦糸に使っているのは、師匠であるお祖母ちゃんの指示でしょう。

裏に返すと、織り手のこだわりが見えます。織り手は、縦糸の白いコットンを藍色に染め、横糸には濃い羊の毛を選び、これも藍色を掛け、一層濃い色にしています。100年近い時間も、このキリムには相当の愛着を感じていたのでしょう。織り手の工夫と努力の藍色を不思議に褪色させ、様々な角度から、違った表情を見せるアートにしてくれました。

いよいよ横糸入れです。器用でない若い織り手が何とか織り上げたキリムは、お世辞にもうまいとは言えません。が、最後まで織り上げた努力が伝わります。
織り終わった後に入れられた刺繍からは、織る事が好きになった織り手が、自分らしい袋を作りたいと頑張った姿勢が感じられます。

自分の娘の持参品キリムを仕上げた頃には、見る人を惹きつける技術と創造性を身に付けていたに違いない織り手を想像すると、愛おしさが増す作品です。


水の流れ=生命を支える水が、常に身近にありますようにとの願い、
S字フック(鍵)=邪視除け


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