KJ7853、154x115cm、シャルキョイ、 アンティークキリム

キリム マイギャラリー

キリムNo.: KJ7853

産地: シャルキョイ、 アンティークキリム

寸法: 154x115cm


1990年、キリムを始めてまだ三年目の私たちが手に入れたのは、当時すでに100年を超えていたアンティークキリムです。「キリムを見た瞬間、頭の中が白くなり、背筋をビビッと何かが熱く走った。」と興奮気味に、出合いを話す買い付けでした。

「きれい!」「細かい!」「薄い!」「信じられない!」「古いのに新しい!」次々に飛び出す称賛の声に、当然と言わんばかりに静かに穏やかな笑みをたたえているキリムです。画面一杯を埋めているデザインは、熟練した織り手が心を込め、先祖への敬愛と尊重を織り込んでいるように感じられる、溜息が出るほど別格のキリムです。

その価格に「エッ!」と一瞬声を呑んだほどのキリムですが、日本のバブル期からの贈り物です。湾岸戦争の影響で、イスタンブールの町からパタッと観光客や外国人バイヤーがいなくなった当時、困った問屋さんは特上のキリムを泣く泣くお金に変えました。本来ならコレクターのアメリカ人に渡るべきキリムが、私達の元にやってきました。
この掘り出し物に出合えたことで、私たちの文化としてのキリム集めが始まりました。

桃色、撫子、薄紅、深紅、クリーム、黄、深緑、ベージュ、茶、ブルー、藍色、濃紺、いくらでも色名が上げられそうに、たくさんの色糸が使われています。選りすぐられた天然染料で染められた糸は、透明度が高く澄んでいます。多色使いのキリムでありながら、組み合わせには品があり、上等のウールは絹のような光沢を放っています。
優れた染色技術と光、そして代々使い継いだ子孫の共同作業がキリムを磨き続けました。
強く細く撚られた糸が使われた薄くしなやかなキリムは、誰が見ても相当熟練した職人の手によるものであるとわかります。

「キリムは紡がれ、染められ、織られ、飾られる芸術です。キリムを織り上げることで、織ると言う文化を世代から世代へ、心から心へとつないでいきます。」とトルコのコレクターは書いています。
まさにその言葉を象徴しているかのようなキリムは、ヨーロッパ側トルコのシャルキョイキリムと呼ばれています。アジア側トルコのアナトリアキリムが、自家用や娘の持参品として織られてきたのに対し、オスマン帝国時代より、高級官僚や官邸などの床や壁を飾る装飾品として、シャルキョイの古いキリムは職人により織り継がれてきました。




眼=邪視除け、 星=幸せへの願い、 ベレケット=豊穣、 狼の口=邪視除け、 鳥=幸せの予感

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