KJ12165、370x176cm、マラティア、アンティークキリム(ウール/ウール)

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キリムNo.: KJ12165

産地: マラティア、アンティークキリム(ウール/ウール)

寸法: 370x176cm


問屋さんのゴージャスなオーナーズルームに敷かれたキリムに、驚かされたのは1994年です。目に飛び込んできたのは、臙脂(えんじ)、抹茶、藍色、黄色が植物染料と化学染料で染められ、天然の白がアクセントに使われているキリムです。華やかでありなが落ち着いて堂々としたキリムは、その大きさのみならず確かな織りと糸のツヤのせいで、周囲のキリムを圧倒する存在です。
熟練した織り手が身に付けたすべてのエネルギーを込めたキリムは、100年近い時間をびくともせず、いつの時も見る者からの驚きと称賛を受け取ってきたに違いありません。

「牧草地を移動しながらこれを織ったの?」との質問に、「遊牧民は騎馬民族だよ。力の強いものが戦い土地を所有するようになると、彼らはそこに家を建て定住するようになった。我々と同じスタイルだ。トルコではそんな彼らを牧畜民と呼んできた。

牧畜民はそこで生活し家畜を飼育した。彼らは、椅子もソファもテーブルも使った。この大きさのキリムは、地面に固定された垂直機の前に座り織られたものだ。定住することにより、キリムは移動に便利な実用的な家具から、住まいを飾り、力や富を象徴する装飾品としての役目を持つようになった。これはおそらく椅子やソファカバー、あるいは寝具カバーなどとして使われた、部族の自慢のキリムだろう。

これほどの大きさを織れるのは、部族の長老と崇められる織り手だろう。確かな織りの技術、上等のウール、そして使われている数々の化学染料がそれを語っている。
これはトルコ語でチフカナットと呼ばれる2枚剥ぎで、最初に半分を、次に残りの半分を織り、2枚を剥いでいる。真ん中をきっちり合わせるのは大変な技術と根気が必要だよ。すごい気合いだろう?」と、説明してくれました。

大きな画面に描かれた四つのメダリオンの中に、小さな柄が描かれたこのデザインは、シバスにも見られます。
植物の柔らかい色調と憧れの化学染料が使われたキリムは、当時は、目を見張るほどモダンで新感覚のキリムとして、沢山の人々の称賛を得たことでしょう。
何年もかけ部族の自慢の大作を織り終えた織り手は、また次へチャレンジしたのでしょうか?




眼=邪視除け、 ドラゴン=豊かさをもたらす、 S字フック=邪視除け、 星=幸せへの予感、 


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