KJ36129、88cm Ｘ 54cm、コンヤ、トルクメン
キリムNo.： KJ36129
産地： コンヤ、トルクメン
寸法： 88cm Ｘ 54cm
価格： 41,800円
遊牧民は、移動しながら手にする素材を使い織物をしました。遊牧民の織物であるキリムは、横糸はほぼ１００％ウールが使われていますが、縦糸は部族により、移動環境によりウール、ヤギ、綿などさまざまです。どの織り手も、あるがままを当然の事として受け入れ、工夫を凝らしながら、それぞれのキリムを織り続けたのです。
豊かな西＆中央アナトリアのキリムの多くは、縦糸にウールが使われています。綿糸は縦糸ではなく、柄つけのアクセントとして、華やかさを演出する素材として使われます。豊潤な土地は、織り手に多くの選択肢を与えてくれたのです。
キリムはインテリアアイテムとしてののみならず、文化としてみると、目に映る色調の美しさの後ろに、様々な情報が見えてきます。
コンヤ、トルクメンは、縦糸に綿を使います。これは、彼らが移動を繰り返した地域が綿の産地でもあったことを伝えています。
彼らは、このキリムのように、縫い糸のように細い綿の縦糸を伝統として伝えてきました。細い白い縦糸に、これまた細いウールの横糸をビッシリ詰めたしなやかな美しいキリムは、どの地域の織り物よりも薄く、丈夫で、素朴という印象とは遠くかけ離れてモダンです。
強固な血族集団の遊牧民は、部族の伝統を伝え継ぐことに大きな誇りを持っていました。であればこそ、織り手は織ることにエネルギーを注ぎ込み、より創造力を膨らませ、それぞれのキリムアートの世界を織り継いでいったのです。
