キリムNo.: KJ36055
産地: コンヤ、天然ウール、新作キリム
寸法: 96x63cm
価格: 41,800円
30年程前、日本がバブルだった頃、コンヤの問屋さん達は伝統を踏まえながら草木染めのオリジナルキリム作りを模索していました。
当時、世界に認知され始めたキリムの価格競争が始まっていました。多くの問屋さんは安価なキリム作りに走り、糸も、染色も、先祖が織り継いできたキリムとは違ったものになっていました。
キリムは1500年伝え継がれた伝統であり文化だと考えるコンヤの彼らは、伝統的な技法を踏襲しながらも、現代の色調を使ったキリム作りを始めました。
羊の毛を先祖と同じく手で紡ぎました。紡がれた糸は伝統的技法で植物を使い染めましたが、その色は、現代のインテリア空間に調和するものでした。藍、グリーン、ブルー、ピーチ、ピンク、クリームなど、先祖の濃い色調とは違う、柔らかい色調で、使い易さと癒しを意識したものです。
また、天然のウールを色ごとに分けたこの様なキリムの製作も始めました。
このキリムのベージュはナチュラルです。 茶、焦茶は、天然の茶と焦茶の糸に色をかけ、染めています。これが問屋さん達の美学なのです。
波がゆらゆらと揺れるような柄は、コンヤのトルクメン族が伝えてきたデザインです。
幾何学文様の柄を持たない彼らは、織り方を工夫することで、部族の伝統を伝え継いできました。縦糸に横糸を、雑巾を縫うようにチクチクと上下させながら動きのある形に作っていく,運針(うんしん)という時間のかかるスタイルです。
ブチの羊の毛の色分と運針技法、どちらも通常のキリムの何倍も時間のかかる作業ですが、
先祖の伝統を次世代に伝え継ぐことに大きな意義を感じている問屋さんには、誇らしい仕事でした。
時間とお金を要するこの仕事のキリムには、中々出合えませんが、問屋さんの心意気が伝わってくるキリムは、場所を選ばす、シックな空間作りに最適です。
水の流れ=生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い