キリムNo.: KJ37067
産地: デニズリ、新作草木染めキリム(ウール/ウール)
寸法: 88x60cm
価格: 58,300円
インジェと呼ばれる特別薄いキリムは、織り手の高い技術に裏打ちされた逸品です。現代の織り手でも、先祖に負けない見事な仕事を見せてくれます。
このインジェ・キリムの織り手達の先祖は、東欧からやってきた遊牧民です。カラバ、ベセラビア、シャルキョイ等の東欧系のキリムは、どこまでも細い糸で、薄く強い打ち込みで、エレガントなキリムとして知られています。
現代のキリムは羊の毛を糸にする際機械を使い作るため、手紡ぎ糸と違い、始めから終りまで均一の滑らかな糸になります。この滑らかな糸を、きれい過ぎ、機械織りみたいと好まない人もいます。しかし滑らかな糸は、染色の際もその滑らかさのお陰で、均一で美しい色合いに染まります。糸も染めも滑らかに仕上がった糸は、技術の高い織り手にゆだねられます。
画面中央一杯に織り込まれているのは、赤茶、緑、黄を使った、アジア側トルコで人気の高い「エリベリンデ(腰に手を置く女性):繁栄、多産、豊穣」です。そして、ボーダーを囲むデザインは、豊かに流れる水を得て大きく育ちそうな種です。
世界のどこからでも情報が取れる時代が、織り手の強い味方です。
キリムにおいても、好きな他部族のデザインを自分のものとして表現出来る現代です。昔の織り手がそうであったように、この織り手も伝統を重んじつつ、自身の感性をキリムの中に表現する事に心を砕いています。
色調は現代を表現し、緻密な織りは伝え継がれた先祖の伝統、そして、華やかに画面一杯を埋めた柄付けは織り手の自己表現です。
エリベリンデ(腰に手を置く女性):アナトリア(アジア側トルコ)の地母神で、多産、繁栄、豊穣の意、 種:子孫繁栄、豊穣、 水の流れ:生命を支える水が常に身近にありますようにとの願い、 眼:邪視除け