キリムNo.: KJ13954
産地: ウズベキスタン、アンティークジジム織(ウール/コットン)
寸法: 106x29cm
価格: 49,500円
KJ-13953-Cの隣に縫い合わされていたジジム織りだと問屋さんは言いました。
同じ古さのジャジム織りとジジム織りを縫い合わせた古布は、部族が織り継いできた伝統と、織り手が触れた当時の流行を伝統にそれることなく表現した織り手の創作でしょう。
熟考の末、それぞれに力のある布を2枚にしたのは問屋さんです。
織り手は、目を見張るほど細く強い縫い糸のようなコットンを、2本合わせ縦糸にしています。本来コットンは、時間の経過と共に白さを増していきますが、織り手は落ち着いたダークベイジュに染めています。
先祖の織物に習ってか、あるいは100年後の織物を想像してか、落ちつたコットンの色が、アンティークとなったこのジジム織りの色糸のツヤを一層引き立てています。
織り手はまずコットン糸で無地のジャジムを織りました。そのあと、トルコ、コンヤ周辺に伝わるジジム(刺繍)織りの技法を使い、ジャジム織りしたコットン布に刺しゅうを入れています。
本来、ジジム織りは、横に入れた糸の上に色糸を重ね、一段一段その作業を繰り返し、織りながら幾何学文様を織り上げていく、時間のかかる作業です。
この織り手の技量ならば、トルコの織り方は簡単に習得できたはずです。が、先祖伝来のジャジム織りをあくまでもベースに、色糸を刺繍していく織り手の力量は見事です。
シルクロードには交易品を抱え、多くの外国人がやってきました。
地中海岸からは綿糸が、インド藍はトルコ経由でマーケットにやってきました。トルコ各地の幾何学文様のキリムも、バザールで目にしたに違いありません。初めて目にする素材や文様は、織り手の創作意欲を益々鍛え、トルコのジジムと見間違える織物を織り上げたのです。
織り手は、藍、赤、黄を合わせて、様々な藍色を染め上げています。鮮やかな青、濃い青、暗い青、自由自在に色出し出来る技術にも驚かされます。
もし、この織り手がトルコの豊潤な土地にいたらどのようなキリムを織ったのだろう?と想像したくなります。